リアルタイムな数字で経営の課題を見える化する。
エスアンドシーの相良です。
長引くコロナの影響、ロシアによるウクライナ侵攻、サプライチェーンの混乱、急速な円安、様々な要因で上昇し続ける物価、このような目まぐるしく変化する状況下においても、企業を持続させ発展させなければなりません。
経営者に課された使命は大変重いものがあります。どのような組織であれば危機の発生に際して適切に対応し、その後、成長を維持し続けることが出来るでしょうか。
深刻な景気悪化や後退局面であっても、飛躍的に成長を遂げることができる企業があります。
このような混乱時には、短期的な需要の変化だけでなく、持続的な変化も同時に起こりますが、誰の目にも明らかになる前に変化を見抜き迅速に行動する必要があります。
いかにニューノーマルにおける成長機会を再評価し、その機会をよりよく実現するためのビジネスモデルを再構築し、より効果的に資本を再分配できるか。
今後、経営者はこの問いに対し早急に対応していかなければなりません。
危機のときこそ既存の仕組みが大きく変わり新しい市場が生まれるチャンスです。
新しいニーズに応えた商品やサービスを、何処よりも早く開発し、市場に提供しなければなりません。
この場面では、何よりもスピードが問われます。
ですが、その前に、消費者の行動変化を調査し、そのニーズがどれくらい続くのか、それを開発するスキルはあるのか、商品化までにどれくらいの期間がかかるのか、コストはどれくらいかかるのかなど、意思決定のために行う作業は膨大にあります。
それを超短期間で見極める組織を作る必要があるのです。
今までみたいに事業部やカテゴリーごとに担当者会議を行い、部長会議にかけ、そこで認められた企画を役員会に上げる、最終的に決定するのが半年以上かかる、ということでは成長する機会を逸してしまいます。
だからこそ、現場の社員からトップ(役員会)まで情報を共有し、危機的状況があればトップダウンで決定できる環境が必要であると思われます。
大企業より中小企業の方がスピード感をもって決断行動できる組織をつくりやすいので、スピードで勝負ができます。
危機の時でも、色々な収入源(卸売り、小売り、飲食、建設、製造、通販、不動産など)があればリスクヘッジになるでしょう。
ですが、中小企業ではなかなか多角化は難しい状況です。
ここで言う多様性とは、経営の基盤となる収入を軸とし、ユーザーが求める付帯商品を意味します。
飲食店であれば、手軽に持ち帰りやすいお弁当、自宅まで持ってきてくれる宅配、目玉商品の通販など、色々ユーザーのニーズがあると思います。
メニューの見直しや店舗自体の改装が必要になる所も出てくるでしょう。
ここで気を付けなければならないのは、腕が良いシェフほど自分の技術やアイデアを優先する傾向があるということです。
何をつくりたいかでなく、お客様が何を求めているかを考えて行動しなければなりません。
即座に対応するにも、臨機応変に対応するためにも、スキルアップや商品開発のためにも、必ず資金が必要です。創業まもない中小企業では、資金をためるのは簡単なことではありません。
平時から毎月の収益性を高め内部留保を増やし、少しでも多くの利益を獲得できる組織づくりをすることが必要です。
また、地元の金融機関とコミュニケーションを図り、定期的に決算書の説明や今後の事業計画を共有することで信頼関係を構築し、有事の際は即座に対応してもらえる関係性を築く必要があります。
金融機関との関係性においても、誠実さと透明性が重要になってきます。
危機的状況を成長の機会ととらえ、「スピード感をもって、新たなユーザーのニーズに対応した商品を、大胆に提供する」、このようなことが即座にできる組織は多くありません。
このような組織をつくるには、日頃から、ユーザーニーズの変化や各事業部からの情報を一元管理し、「何時でも」「何処でも」「誰でも」情報を活用できる環境を構築しておかねばなりません。
透明性が高い組織であれば生産性も高く利益率もアップします。
そこで得た資金をまた、環境改善のために再投資する。そうやって組織が強化され危機に強い組織が出来ると思います。
企業は、いかなる時代や環境においても利益を上げなければなりません。
そのためには組織や仕組みをどんどん変化させる必要があります。
ただし、「不易流行」と言う言葉があるように、変えるべきものと、変えてはいけないものがあります。それは企業理念やパーパスになります。
何を変えて、何を変えないか、経営者の決断が迫られています。
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