freee会計はとっても便利!ですが、その便利さ故に、現金一つを見てもケースバイケースで複数の入力方法があります。
条件に合った最適な入力方法を選ぶことで、もっと効率的に、もしかしたらもっとラクできるかもしれません。
今回は、freee会計で現金を入力する操作手順について、おすすめポイントを交えて解説します。
freee会計の入力の前に、まずは少しだけ「現金出納帳」のお話です。
現金出納帳とは、現金の入出金を記録していく帳簿のことです。
日々のお金の動きを記録し、金庫の金額と一致しているか、帳簿と一致しているかなどを確認します。
形は様々ですが、「いつ」「何のために」「どこへ(どこから)」「いくら支払った(受け取った)」「差引残高」をそれぞれ記録します。
現金の入力をする上で、freee会計の恩恵を最大限に受ける鍵がこの現金出納帳なのです。
現金出納帳を使うと如何に簡単に現金の入力ができるかは、次項の freeeで現金を入力する で解説します。
まだ現金出納帳をお使いでない方は、ぜひこの機会に導入しましょう。
freee会計で活用するためには、ExcelやGoogleスプレッドシートといったデジタル形式で現金出納帳を作成しましょう。
現金出納帳に必要な項目は以下の5つです。
詳しくはこちらをご参照ください。テンプレートファイルをダウンロードすることもできます。
▼freeeヘルプセンター:freeeに手動でアップロードする明細を用意する
freee会計での現金の入力は、大きく分けて4つの方法があります。
それぞれのおすすめ度と合わせて、手順を解説します。
おすすめ度★★★★★
Excelやスプレッドシートで作成した現金出納帳をfreeeへ取り込み、「自動で経理」から取引登録を行います。
自動登録ルールを作っておくと取引の登録・推測を自動化することができるため、特におすすめの方法です。
今回はExcelでこのような出納帳を作ってみました。
(Excelに式が入っていても、そのままで問題ありません。)
ホーム画面左側に並ぶ各口座の登録残高のうち「現金」を開き、「明細のアップロード」をクリックします。
※[マスタ・講座]→[講座]の一覧より口座名「現金」を開き、「明細アップロード」をクリックする手順でも可能です。
アップロード前に、現金出納帳のExcelファイルをCSV形式に変換しておきましょう。
(手順1)
CSV形式に変換した現金出納帳のファイルをアップロードします。
「4. 入出金明細データのタイプ」は、初回は「新規のフォーマット」を選択します。
※2回目以降、「前回と同じフォーマット」を選択すると、以下の手順2・3を省略できます。
(手順2)
現金出納帳の日付、入金額・出金額、明細の並び順の形式を指定します。
今回は、年月日は「2021/〇/〇」の形式で昇順、出金額と入金額は別の列に入っているので、以下のように指定します。
(手順3)
現金出納帳の列ごとに項目を指定して、「明細を取り込む」をクリックします。
必要な項目は①取引日、②利用内容・摘要、③出金額・決済額、④入金額・受取額 の4つです。
なお、項目を指定しない列に何か入力されていても取込に影響はありません。
先頭行の項目タイトルなども取込時に無視されるので、そのままでOKです。
アップロードすると、現金出納帳の内容が明細として取り込まれます。
[取引入力]→[自動で経理]を開きます。
明細として取り込まれた内容は、「自動で経理」の画面に未処理(まだ帳簿に反映されていない)状態で並んでいます。
出納帳に記録していた「日付」「金額」「摘要」がそのまま反映されています。
が、それがどのような取引内容なのか?
初めてのアップロード直後は、まだあまり賢くないfreeeがなんとなく推測したものになっています。
これでは、毎回一つ一つ確認し、勘定科目等を指定していかなければいけません。
ここがポイントです!
自動登録ルールを作成し、freeeがサクッと処理してくれるように賢く育てていきましょう。
各明細行の右端にある「詳細」をクリックすると、取引登録画面が開きます。
正しい勘定科目を入力し、必要に応じて品目や備考も入力して・・・これでヨシ・・・と登録を押す前に!
画面下部の「自動登録ルールとして設定」にチェックを入れましょう。
チェックを入れてから登録すると、このような画面に移ります。
自動登録ルールを設定することで、freeeが率先して正しい内容で処理してくれるようになります。
上の画面では、現金で「切手代」を含む内容の支払いがあった場合、「通信費」として登録まで済ませてしまう、というルールが作られます。
同様に、タクシー代、消耗品代・・・とルールを増やしていくと、出納帳を取り込むだけで帳簿に反映された状態になります。
イレギュラーな出費があった場合は、ルールは作成せずにササッとその取引登録だけ済ませてしまえば、現金の入力は完了です。
このように、いかに自動登録ルールを整備できるかが大きなポイントです。
自動登録ルールについては、以下記事に詳しくまとめていますのでぜひご参照ください。
▼お役立ち情報:自動登録ルールを使いこなす者がfreeeを制す
おすすめ度★★★★
以下のような場合は、ファイルボックスからの登録がおすすめです。
レシート類を画像データでfreeeへ取り込み、登録していく方法です。
証憑の形式によって、以下のような方法があります。
紙で受け取った場合
データで受け取った場合
取り込んだ画像をクリックすると、下記の画面が開きます。
「取引登録」タブから勘定科目やタグを入力し、「取引登録」をクリックすると、登録が完了します。
「取引登録」をクリックする前に、「取引の情報をルールとして保存」にチェックを入れることで、処理内容をfreeeが学習し、次回同じ相手先からのレシートを取引登録する際は、前回使用した勘定科目等が自動で表示されるようになります。
★リスト形式での登録も可能!
ファイルボックス一覧画面の[ファイルリスト]をクリックすると、リスト形式での登録画面が開きます。
ファイルリスト画面では、レシート画像を見ながら、一覧表形式で登録ができます。
ファイルボックスから登録した取引には、取引登録と同時に証憑の画像が添付されます。
おすすめ度★★★
以下のような場合は、連続取引登録がおすすめです。
ファイルボックスからの登録 と同様に、レシート画像をfreeeに取り込みます。
登録したいレシート類の画像をfreeeへ取り込んだら、「連続取引登録」画面から登録します。
[取引入力]→[連続取引登録]を開くと、取り込んだ画像が未登録状態で並んでいます。
「発生日」と「支出金額」には画像からOCRで読み取った内容が既に補完入力されています。
また、OCRで読み取った電話番号に紐づいて、一度入力した仕訳の情報(勘定科目等)も記憶されます。
同じ支払先に対する2回目以降の取込時には、この情報に基づいた推測結果が反映されます。
この機能により、画像のタクシーの領収書では旅費交通費の勘定科目が推測で入力されています。
この状態から、空欄となっている項目への入力、推測された内容の確認・修正を行います。
「支出金額」まで入力後Enterを押すと、1枚目の証憑の取引登録が完了し、自動で2枚目の証憑の取引登録へ移ります。
入力→ Enter→ 入力→ Enter・・・と連続した操作で複数枚の証憑を登録していくことができます。
OCRの読み取り機能はありますが、明細アップロードやAPI出納帳からの登録のように自動登録ルールを作成することはできないため、推測による補助はありつつも基本的には毎回手入力をしていくことになります。
「連続取引登録」から登録した取引には、取引登録と同時に証憑の画像が添付されます。
おすすめ度★
レシート類の証憑も現金出納帳もない場合に、完全に手入力をしていく方法です。
連続取引登録(証憑あり) と同じ画面から取引を登録していきます。
日付や金額も手入力で行うので、一般的な会計ソフトの仕訳入力と同じような操作になります。
freee会計の強みである証憑の紐づけや自動登録ルールが使えないので、おすすめ度としては辛口の★1です。
いかがでしょうか?
現金入力の場合、出納帳のデータを「自動で経理」を通して取引登録し、自動登録ルールの整備を進めることで、簡単かつ高速に処理が済むようになります。これぞfreee会計の最大の利点です。
freee会計をより賢く育て上げるためにも、ぜひ現金出納帳&自動登録ルールの最強タッグをお試しください!
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